NISHI TSUKASA 
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趣味の館
〜マジック編〜

08. マジックは永遠の趣味

オレの職業はミュージシャンです。趣味はマジックです。

マジックが趣味の人は共感してくれると思うけど、仕事に出かける前もマジック道具の点検、確認をするんだ。仕事場に着いて、譜面を忘れてきてしまっても、昨日使い過ぎたフラッシュ○ッ○○がちゃんと補充さていたなら「よかったぜ~」って思うオレはほんまアホだと思う。

で、スタジオに着いて、マネージャーに缶ジュースを買ってきてもらうのに財布の中を見て、500円玉が1枚、100円玉1枚、10円玉が6枚あるのを確認して、「ごめん!缶ジュース買って来て~!」って千円札を渡すんだ。500円玉や100円玉が1枚も無くなると万札が無くなるより寂しいんだ。

「超強力」の文字は「超能力」に見えてくるし、「トックリ」は「トリック」に見える。
「サムピック」も「ボブサップ」も「サムチップ」と言ってしまうし、「ショップ」と言えばもちろん「マジックショップ」の事、「ジャンボ」はもちろん「コイン」の事で「木綿のハンカチーフ」は「掌中のハンカチーフ」で「モンテカルロ」は「モンテカード」。
「浮く」「消える」には異常に反応するし、実は音楽用語にも「ギミック」と言うのがあるんだけど、目がギラギラしてくる。

そして気がつけばスタジオの消しゴムをパームしてるし、もらった名刺は裏表真っ白になってる。真剣な打ち合わせをしてる時にも親指姫がハマってるし、とにかく、新曲の打ち合わせだけなのに、でっかいリュックを背負っていて、いつでも手の届くトコにリュックを置く。

「新曲、聞かせて下さい」とプロデューサーに言われてリュックを開けて、ミカメの箱やバイスクルや第三の手やスプーンやコットンをかき分けて、やっと一番底のデモMDに手が届くんだ。嬉しいね~。

真新しい「磁石」や「両面テープ」や「小さい鏡」や「輪ゴム」や「奇麗な小箱」や「ただの綿」や「ただの細い糸」....が目の前にあるだけでウキウキワクワク胸が踊り出し、長時間眺めていられる。ハッピ~さ~。

近所のコンビニでタバコを買って「大きいのしかないんですけどいいですか?」って言ってジャンボコインをよく出すんだ。80%ぐらいはシラケるけど、何も怖くないんだよダンディ坂野のように。だってだって、20%が勇気と力をくれるのさ!でもそのくせ、ストリートマジシャンほどの勇気はなく、お客さんが少ないときしかしない。

横断歩道で信号が変わるのを待ってる時に10cmほど浮いてみて、斜め後ろの人は見てるかな?なんて思ってたらドンッ!って押されて始めて信号が変わってた事に気がついたりなんかして...。

福山雅○君のリハーサル時にバックサムパームの練習をしてた10円玉が落ちて、こりゃまた福山君の横まで転がっていって、普通に止まればいいものをよりによって、「シャン...シャン..シャン.シャンシャン!」って音がうるさくなって、そのうち福山くんが右足で「パシャ!」って踏んで止まった....。死ぬかと思ったよ。

まぁこんなのは日常茶飯事さっ。これでもまだマシになった方さ。
ちょっと前まではバニシングビール瓶がリュックから覗いてたんだもん。

マジックのプロを目指していないオレがこうなんだから、プロマジシャンのアマチュア時代はハンパじゃなかったんだろうなぁ。一時、テトリスが流行ってたとき、街に出てビルを見て、「あのビルとこのビルの間に凹を入れたら消せるなぁ...」って思ったのと同じぐらいマジック一色の生活だったんだろうなぁ...。
あぁうらやまうらやま。

  

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