NISHI TSUKASA 
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趣味の館
〜マジック編〜

13. マリック氏

クロースアップマジックには、マジック道具をお客さんに渡して調べてもらっても大丈夫なものと渡せないものがあります。本来なら渡して調べてもらう事なんかは考えなくてもいいんだろうけど、その怪しい道具を疑ってるのなら、どうぞ調べてみておくれ!って言ってもいいほど良く出来てるモノも多くなってきました。

でもね、たとえば演技の前後に手渡し出来るペンやコインなどでマジックをするとしても、話術ひとつで、べつに渡さなくてもよくなるんですよ。
「渡しても大丈夫なモノ」は、頭から「渡す」を前提として演技を始めてしまうけど、それはよくありません。
「渡せるモノ」でも、なるべくなら渡さなくてもいいような演技をすることによって、渡せないモノを使ってマジックをする時や、スイッチングしなけりゃならない時に大いに役立ちます。

渡せるモノの大半はパズルやカラクリと同じようなモノです。
ライフライン(?)は最後までとっておきましょう。とにかくカラクリに頼らずに挑めば、そのテクニックはきっとハプニングやトラブった時の回避に役立つことでしょう。

Mrマリック氏のクロースアップマジックは市販されているモノ(アングラグッズも含めて)を使って演じる事が多いですよね。マリック氏がカードを使ってダブル○○○やエルム○○○○○ントをやってるのを見れればラッキーなくらいです。

ところがオレは、彼のお得意のシガースルーコインやフリッパーコインを使ったマジックでの絶妙の間合いやパームやスイッチングのテクニックにいつも感動します。
コマ送りして見ても素晴らしいのひと言に尽きます。あの表情や笑い声や視線や振り返り方など、すべて計算されているような気がする時があります。
「ちょっと待ってください」と「ちょ、ちょっと待ってください」は違います。それはすべてギミックコインや道具に疑問を抱かせずに、現象に釘付けさせようとするための細かいテクニックなんだと思います。

コインにタバコを通すなんて、普通に考えればあまりにも非現実的ですよね。そのコインとタバコをず~~っと凝視さえしていればわかる事なんですが、お客さんは必ず何ヶ所かそこから目を離さざるを得ない瞬間があるのです。これがミスディレクションです。

お客さんに改めてもらうのは必要最低の時間。ほんの数秒でお客さんは自ら「異常はありませんね」と返します。これは、道具にいかに頼らずに心理的な部分を利用した上で今まで演じてきたかがわかります。

おそらく、今までTVで見てきたマリック氏が演じるパーフェクトペンもスコッチ&ソーダも、お客さんに手渡してはいません。その必要がなかったからでしょう。

もちろんオレにとっては好きな部分も嫌いな部分もあるマジシャンですが、素直にそのあたりはオレの中での神様的存在なのです。

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