02.「怪奇くも男」の日...。
昭和46年4月3日から放映された仮面ライダーの記念すべき第一話。
このあと、果てしなく続く(今もなお続いている)仮面ライダーシリーズだけど、オレは1号2号にしか興味がないのだ。仮面ライダーV3でさえほとんど興味がない。そしてその1号2号ライダーはもちろんリアルタイムで見てきたし、再放送でも何度も見たし、ビデオレンタルでも見たし、全26枚組のレーザーディスクも買ったんだけどね、悔しいかな、一生の不覚なんだけど、実は第一話「怪奇くも男」だけがリアルタイムで見れてないのだ......。
なぜ見れなかったのか...。じつは近所にサンパツに行ってたからなのだ。サンパツから帰ってきたオレをニタニタした顔で迎えたのは兄貴だった。
「つかさ。仮面ライダー、おもしろかったで~。ウルトラマンみたいにでっかくないで~(この頃は「等身大」とは言わなかった)。ワルモンはショッカーって言うんやで(この頃、悪は「わるもん」、正義の味方は「ええもん」と言ってた)。途中、ちょっと映りが悪くなったけど(これは家庭の事情で、アンテナの方向に問題があった)、ちゃんと見れたで(VHFアンテナはちゃんと見れると嬉しいのだ)。仮面ライダーを絵で書いて説明したろか?」
とにかくそんなこんなで、兄貴はそれ以降、仮面ライダーに何の興味もなくなったクセに第一話だけはリアルタイムで見ているのだ。オレは全怪人の鳴き声までマネ出来るぐらいなのに第一話だけはリアルタイムで見れてないのだ。こんな悔しいことは世の中に2つとないのだ。
兄貴の、どう頑張っても「似てる!」とは言えないライダーの似顔絵とともにその第一話の悔しい思いでが胸の中で今でももやもやしている。なぜあの時おやじとおふくろは「つかさ。今日から仮面ライダーが始まるからサンパツに行くな。」と一言言ってくれなかったのだろう。
この記事、兄貴が読んでたとしたら「お前はいまだにあほやな」と言うかも知れないがオレにとっては史上最悪の散髪事件なのだ。