NISHI TSUKASA 
Official Website
趣味の館 〜特撮編〜

03. ウルトラセブン...。

ウルトラシリーズでウルトラセブンが好きな人はオレたちの世代に多い。オレから言わせれば、唯一、ウルトラセブンは大人も考えさせられてしまう特撮ヒーローものだ。

中でも、印象に残ってるのは「ノンマルト」と「第四惑星」。
「ノンマルト」は、地球人がどんどん開発していく場所に先住民がいたとしたら、その先住民を邪魔者扱いする、という現実的で悲しい物語だったのでよく覚えてる。あの少年をたんなる幽霊だったという印象しか残っていない人はオレの世代にはいない。それは、緑の破壊や地球温暖化にも通じるだろう。オレたちはそんなに偉いんだろうか。
カラスやゴキブリがあんなに気持ちよく住んでる地球に人間が攻め込んできて追い出す。そんな人間同士が今度は戦い始める。神が本当に存在するなら、地球はそろそろだろうな。その昔、地球はハプニングで冷たくなったり熱くなったりして今の気候や酸素が生まれた。地球の生物が平等に育っていくために与えられたモノだ。それが、気がつけば人間が天下をとってる。たかが特撮だが、「ノンマルト」を見て涙した者も少なくないだろう。
小さいイラク戦争は地球のあちこちで起こってる。言葉も体格も宗教も通じない者同士は「ケンカ」しか手段がないのだろうか。もっとでっかい大宇宙規模で、地球に襲いかかるモノが現れたとき、地球の生物はひとつになれるんだろうか。なれないなら壊滅したほうがいい。第五期氷河期は近いだろうな。「ノンマルト」はもちろん金城哲夫氏の脚本。彼の世界はこれからも、もっともっと知っていきたい。

そして、「第四惑星」。ウルトラセブンで、怪獣も宇宙人も出てこない話はいくつかあるが、この「第四惑星」もそのひとつ。衝撃的だった。今でも、ウルトラセブンのどの回を見たいか?と言われれば「第四惑星」は上位に入る。怪獣や宇宙人が出てこない恐怖は子供にはたまらんかった。精神的に引きずる。
頭のフタが外れるヤツがほんとにいるんだろうか、とか、あれはアメ玉だろうか、いったい何を口の中でカラカラいわせてるんだろうか、とか、普通のオレたちの生活の中で自分と比べてみてしまうシーンが多かった。
今現在2004年。ここへ来て、機械に頼る人間の中でオレたちは生活しているが、振り返ればそれ自体あの頃の「第四惑星」になっている。今の地球の中身は太陽系第三惑星じゃないよね。だって、あのカラカラ長官よりも変な奴らがゴロゴロといる。ただね、コンピューター最先端の社会を取り入れた「第四惑星」なのに、入れたコーヒーがぬるい!といってどついたり、砂糖が多過ぎる!と張り倒したりするのはどうだろ。最後に判断するのはやっぱり人間の心。完璧な「第四惑星」に欠けていたものが「心」だとすれば、今の地球はまさに「第四惑星」なのかも知れないな。

この2話だけをとりあげてもウルトラセブン、恐るべし。ただの円谷特撮モノではないのがよくわかる。

  

Back to index >>

 
inserted by FC2 system